地下水余話は、2019年2月をもって掲載を終了しました。
2004年から「地下水ニュース」として、2010年からは「地下水余話」として皆様にご愛好いただき誠にありがとうございました。
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市民コミュニケーション委員会が2015年10月に開催した「湧水めぐり イン 君津」で見学した久留里で自噴する地下水が、ペットボトルに商品化されたそうです。まだ販売には至らないようですが、今月10月21日に開催される「ちばアクアラインマラソン」などで無料配布するとのこと。平成の名水百選に選ばれた地下水がペットボトルで飲めるみたいです。 [出典:千葉日報オンライン 県内ニュース 2018年10月15日 20:36 ] |
地形の段差に興味あるタモリさんの番組では、2016年7月放送「#44 会津磐梯山」で五色沼の色の違いを紹介するなど、色々な場所の地下水が紹介されてきましたが、今回は鳥取砂丘が取り上げられていました。観光での見学は出来ない施設とのことですが、鳥取大学乾燥地研究センターでは湧き水でワサビ栽培を行っているそうです。また神話「イナバノシロウサギ」の舞台ともいわれる海岸沿いの神社の境内には、水の量がいつも変わらない神秘の池「不増不減の池」というのがあって、砂丘という地層と関係があるのだそうです。歴史にも砂丘が関係しているとは、面白いお話でした。
全国に砂丘が30ヶ所ほどあるそうです。砂丘は水はけが良く、メロン等の産地としても有名ですね。皆様がお住まいの近くにある砂丘でも、湧き水があるかも知れません。探してみてはいかがでしょうか? [出典:タモリのブラブラ足跡マップ #111鳥取砂丘 ~なぜ鳥取砂丘は人をひきつける?~] |
地下水とサウナが縁深いことを想像すると、火山の近くの砂風呂、古代ローマでも蒸気のお風呂、といった風に思ったりもしますが、サウナの後の水風呂が地下水であったりすると、「温泉かけ流し」ならぬ「地下水かけ流し」という結びつきがあることを友人が教えてくれました。 日本サウナ総研 インタビュー「聖地『しきじ』の申し子が語る“しきじの秘密”とそのサウナライフ!」では、静岡県にあるサウナの水風呂が紹介されています。該当施設のWEBサイトではミネラル豊富な水質分析結果が掲載されていました。温度は17℃程のようです。 温泉に入る時に成分表を見ることはありますが、水風呂に入る際に成分表を見ることは過去なかった気が。新たな発見です。 そんな話をしていたら、全国47都道府県の地下水や山水など良質な水を使用した水風呂のある温泉や銭湯を紹介しているサイト水風呂JAPANというものを見つけました。やっぱり地下水と温泉、水風呂は縁があったのですね。 皆様も是非!サウナ+地下水の水風呂を体験してみてください。お肌がツルツルになるかも知れません。 [出典:日本サウナ総研、サウナしきじ、水風呂JAPAN] |
地下水学会の秋季講演会なども開催した宮古島市で、「大丈夫?宮古島の地下水-考えよう、いのちの水、島の未来-」をテーマにした講演会・シンポジウムが開催されたそうです。島内の世帯数が増えない代わりに、観光客の増加による需要増が供給能力を超えてしまう可能性があるとのこと。 ほぼ平坦な地形な宮古島では河川という河川がなく、水資源を地下ダムに依存しているため、需給バランスが崩れることは大問題です。何とか解決でいれば良いと思います。 [出典:宮古毎日新聞 WEB 2018年9月04日(火)8:59] |
富山県入善町(にゅうぜんまち)。湧水地帯の一角にある水の町の海岸線近く、その石と砂ばかりの土地に絶え間なく湧き出る地下水が奇跡の自然を作り出しているとのことです。海岸の植物と立山の植物が共存している2.6ha程の広さの「杉沢の沢スギ」、昭和48年には国の天然記念物に指定されており、大切に保護されているようです。湧水は昭和60年3月環境庁から「黒部川扇状地湧水群」として全国名水百選の一つに選定されています。「沢スギ自然館」なんかもあるようです。要予約ですが、ボランティアガイドによる林内の解説を実施しているとのこと。 北陸新幹線 黒部宇奈月温泉駅から約10km、あいの風とやま鉄道 入善駅から約3km。泊の町にも近いので、お近くに観光で行った際は是非訪れてみて下さい。 [出典:中日新聞 CHUNICHI WEB 2018年9月02日、入善町ホームページ] |
環境省の名水百選にも選定された黒部川扇状地湧水群の一部で、水道法の基準を超える塩類などの蒸発残留物が県の検査で検出されていたことが分ったそうです。健康に直接の影響がでる程の高濃度ではありませんが、渋みや苦みなど味に影響が出るとのこと。メディアでも紹介され、県外からペットボトル持参で水を汲みに来る人も多い有名な湧水なだけに心配です。 水田が減少する等が原因で地下水位が低下し、海水浸入した可能性があるようです。黒部市の黒部川扇状地の地下水量調査によると、2014年の地下水位が1941年に比べて5~10cm低下しているとのこと。海底湧水でも知られる富山湾ですが、そんな地域にも海水塩水化が及んでいる事実が、日本の地下水資源の有用性が失われていないかと不安になってしまいました。 [出典:読売オンライン2018年08月21日 14時04分] |
長野県の安曇野と言えば湧水でとても有名。安曇野市のWEBサイトでも「安曇野水物語」として何地点かの湧水が紹介されています。大王わさび農場が観光スポットとして非常に有名ですが、今回は安曇野わさび田湧水公園と安曇野の里へ行ってみました。
わさび田湧水群は昭和60年7月に名水百選となりました。万水川(よろずいがわ)と県道310号が交差する付近、県民豊科運動広場の北側に「憩いの池」があります(豊科南穂高4981-4、標高530m)。運動広場の駐車場が広いですが、県道側にも車3台位の駐車スペースがあり利用可能。池の底のあちこちから時々泡がでる様子を見ることができ、湧水口以外からも地下水が湧き出していることを感じました。
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安曇野の里にある「プラザ安曇野」の前にはモニュメントがあり、湧水を汲む人で賑わっていました。(下の写真)ブックリストのコーナーで紹介されている「街歩き・里歩きの『名水・湧水散歩』」の69ページに掲載されている水飲み場は、本の写真では無かった屋根が設置されていました。施設の奥には「わき水探索路」があり、木道からアサギマダラを見ることができました。長距離を移動する蝶として有名みたいです。ちょっと嬉しかった探索でした。
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水底の砂を巻き散らかし地下水が湧出する様を、都会のメジャーな駅から徒歩約5分といった所で見つけました。柿田川の様な大規模なものではありませんが、小さいながらも狭い場所に3か所の湧き出しポイントが見えました。素敵な湧水に出会えて感激です。
場所は町田市芹が谷公園、町田駅から徒歩約5分ほどの場所です。公園の最上流部、走っている小田急線の電車を見上げることができる崖下の湧き水ポイントです。是非皆様も散歩で訪れてみてください。
[撮影日:2018年6月24日]
色々なところで紹介されている善福寺川の湧水を見に行きました。湧水量は少ないものの、水中の枯れ葉が湧水の揺らぎで動く様子を見ることができました。「雨上がりの時はもっと湧水量が多くて良いかも」と思ってみたものの、雨が降り川が増水で水位が上昇すると湧水口は水没してしまいそうな位置にありました。
杉並区の善福寺公園から歩いて約15分位の場所、原寺分橋の地点(杉並区西荻北4丁目40番地~5丁目18番地の間)です。是非皆様も散歩で訪れてみてください。
湧水地点あたりの河床の様子(左)と、付近の善福寺川遊歩道内に設置された「湧水のしくみ」の看板(右)
[撮影日:2018年4月30日]
北上市を流れる和賀川の河岸段丘崖に複数の湧水がみられます。これを地元ではすず(清水)と呼んでおり、住民の方々が大事にされておられます。樹齢500年の桂の木は幹周り4mもあり、その根元から湧く清水の名は、怪力の持ち主「仁兵殿」にまつわる言い伝えに基づいているようです。指定保存泉のひとつ。水汲みスポットとして人気のある所だそうです。(北上市下江釣子) 北上市で豊富に湧きだす清水は、「すず」と呼ばれ、古くから人々の日常生活に密接に結びつき、利用されてきたみたいです。「岩手の名水20選」に選ばれている清水(すず)もあるようです。北上市のホームページでも紹介されています。 |
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新潟県上越市JR直江津駅から「直江津まちなか道標」を目印に徒歩約25分、五智如来を祀る五智国分寺の丘の麓、五智郵便局の近くに湧き出す養爺清水に辿り着きます。1207年から7年間ここ五智周辺で過ごした親鸞聖人(35歳~)が使ったと言われる湧水は、水量は少しですが、800年後の今でも絶えることなく湧き出していました。歴史を感じるこの湧き水は「養爺」清水とありますが、湧き出る地点の背後の石碑には「やう也」清水と刻まれています。自分が滞在していた10分程の間にも、ジョギングの方や地元の親子連れが水汲みに訪れ、親しまれていることが分かりました。上越~北陸にお出かけの際は、彫刻が立派な五智国分寺の三重塔と合わせて訪れてみてはいかがでしょうか? 本数は少ないですが、バス利用の際は五智国分寺裏門下車が最寄りとなります。
この湧水のことは地下水学会誌51巻4号「名水を訪ねて(87)新潟県上越地域の名水」に掲載されています(p373、3.4 高田平野西縁及び上越地域西部の名水)。その論文によれば、あずまやは2006年に再建されたと記載があります。超10年経った今でも地元の方々が大切に整備しているのだと感じました。
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水神社と言えば、市民コミュニケーション委員会が2012年10月14日に開催した「都内湧水めぐり-2」で訪れた椿山荘の隣、胸突坂を挟んだ神田川沿いに水神神社があったのを思い出しました。(東京都文京区目白台1丁目1) |
秦野盆地の地下水は、1970年に調査した電磁波による調査結果から芦ノ湖の1.5倍(2.8億トン)と推定されていたそうです。今回、2017年から5か年計画で実施しているボーリング調査で、帯水層が非常に厚く地下水の賦存量が想定よりも多い可能性のあることがわかったそうです。巨大な水がめの存在は地下水分野の我々にとって嬉しい話題ですね。今後19年度から3年で、シミュレーション等を実施して地下水の分布を明らかにするようです。最終の結果が楽しみです。 【出典】読売新聞2018年3月13日(火) p33地域面「川崎」 |
早稲田近くの水神社を紹介したことがありますが、杉並区の馬橋稲荷神社(東京都杉並区阿佐谷南2-4-4)内にも水神社がありました。 |
![]() 水神社 (馬橋稲荷神社内・杉並区) |
神奈川県秦野市環境保全課が、市内に点在する遊水地等を巡りながらクイズに答えて名水に関する知識を学び楽しんでもらおうと「名水すごろく」を作成したそうです。同市の環境保全課窓口で貰えるみたいです。秦野市は名水マップや名水だよりを発行するなど、地下水保全に関する活動が充実しています。是非一度、湧水めぐりに訪れてみるのはいかがでしょうか? 近くに鶴巻温泉もあり、首都圏からの小旅行にも最適ですね。
伊予西条に「打抜き井戸」の石碑があります。また、JR四国 予讃線の伊予西条駅構内にも「うちぬき」があるようです。2018年の地下水学会秋季講演会は松山市で開催され、現地見学会では写真の場所を訪問予定です。ぜひ見学会にご参加ください。また見学会当日にご都合悪い方も近くにお出かけの際は是非お立寄り下さい。
また、「ガイドと歩く西条うちぬき名水めぐり」というイベントが毎週土・日曜日(原則)で開催されている様です。参加したい場合は、2日前正午までに、西条市観光協会に電話予約とのこと。是非ご参加ください。
(出典:橋でつなぐ人と人のぬくもり「瀬戸マーレ」(JB本四高速-本州四国連絡高速道路株式会社-発行))
東京都渋谷区代々木、明治神宮内の御苑に清正井があります。花菖蒲田、いわいる谷津みたいな地形の奥、敷地の一番端が少し斜面になっていて、その下に湧き出る地下水が「清正井」として由緒ある清水とのこと。円形の井戸は木製だそうです。漏れ出る清水の水温は(訪れたのが1月なので気温が10℃以下のため)温かく感じました。おおよそ年間を通じて15℃前後だそうです。 近年、パワースポットとして紹介された影響でしょうか、湧き水に触れるための待ち行列が。私が訪れた日は入口で「30分ほど待ちます」と言われましたが、実際は15分程度でした。6~7月は菖蒲が咲いて綺麗な景観となるようです。超300年の歴史を経て今も湧き続ける都会のオアシスを是非訪れてみてはいかがでしょうか? 【参照】 「名水・湧水散歩」(南 正時著)p38 ←「ブックリスト」のコーナーで紹介しています 「歩く楽しむ 東京の自然水」(早川 光著)p142 |
![]() 清正井 (明治神宮御苑内) |
「地下水」とは違う形で歴史が刻まれている井戸があります。 | |
東京都千代田区永田町、皇居外堀 桜田濠沿い(皇居から遠い方の側の歩道)。「櫻の井」は歌川広重「東都名所」の「外櫻田弁慶櫻の井」にも描かれている江戸の名水です。加藤清正が掘ったとも伝えられているその井戸は、1968年に道路工事が理由で10m移設されたそうですが、原型のまま復元されており東京都指定旧跡となっています。横幅が3mもあり、3本の釣瓶(つるべ)で一度に桶3杯の水が汲めたそうです。 |
![]() 東(アガリ)ヌカーの井戸(沖縄市) |
東(アガリ)ヌカーは共同井戸の一つです。沖縄では井戸のことを“がー”や“かー”、場所によっては“じゃー”、“はー”、“なー”などとも言われるようです。300年前、村で最初に掘った井戸が今も保存されています。戦後の水道普及によりあまり使われなくなつているそうですが、それまでは貴重な飲料水を村人に供給してきた大切な井戸であったとのことです。 所在地:沖縄県那覇市首里大名町1-49 |
弘前市の弘南鉄道大鰐線 中央弘前駅近く「富田の清水」を見に行きました。道路の脇、少しの窪んだ所の建物の中に湧き出し口があります。100m程離れた「御膳水」も昔は湧出していたそうです。 弘前を訪れた際はお立ち寄りください。 |
![]() ![]() ![]() ![]() 富田の清水(弘前市) |
10月1日夜に放送されたNHK Eテレ 美の壺・選「心潤す 湧き水」で、柿田川(静岡県)、龍泉洞(岩手県)、箱根清水(富山県黒部市)、はりえ地区川端(かばた)(滋賀県)が紹介されていました。 この番組、草刈正雄さんが日本の「美」について鑑賞マニュアルを紹介していますが、絵画や陶器や工芸品をはじめ「モノ」を紹介することが多い中、今回は大自然がもたらす恵みである「地下水」を取り上げていました。我々地下水余話のコーナーでも地下水の恵みについて色々と情報発信していかなければならないな!と改めて思いました。ちなみに今回紹介されていた4個所は地下水学会では以下で取り上げていました。皆様もお時間があれば日本各地の湧水を訪れてみてください。
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夏休みで帰省ラッシュの高速道路。駒門のパーキングエリアで地下水が飲める場所があります。地下100mから汲み上げた地下水が蛇口から飲み放題。お土産コーナーでは持ち帰り用のポリタンクも販売されていました。 東名高速道路上り駒門PAで一休みしてみて下さい。 |
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東京都文京区 小石川植物園(東京大学大学院理学系研究科附属植物園)の正門近く「植物園前」の交差点から播磨坂さくら並木(はりまさかさくらなみき)を右手に見てもう一つの坂を茗台中学校前交差点へ向かって坂を上ると、右手の小石川パークタワーの一角に小石川七福神の一つ弁財天が祀られています。そのノボリが目印、極楽水の跡地が小石川パークタワーの庭園にあります。
応永22年(1415年)、了誉聖冏上人(りょうよしょうげいしょうにん)が伝通院の元ともなった庵を結んだ所とされており、昔は名水が沸いていたのでしょう。現在は整備されていて跡地のようですが、水が溜まっていました。都市化が進むと湧き水の姿が消えてしまうのが残念です。
住所は東京都文京区小石川4-16、最寄駅は東京メトロ茗荷谷駅です。
ジャカルタ、マニラなどの東南アジアの主要都市が水没の危機にあるとのこと。原因は人口増加や工業化に伴う地下水の過剰な汲み上げ。地盤沈下が加速しており、2020~30年頃には都市が海面下になると予測されているとのこと。地盤沈下を放置すると、海水流入などによって土地が水没したり家を失ったりするという。地盤が水面下になると、地球温暖化の影響とみられる集中豪雨などで大洪水が起こりやすく、排水に時間がかかるため経済活動の機能停止が長期化したりする被害が出ているらしいです。
日本でも東京が過去、同様なことを経験しました。ジャカルタでは既に4割がゼロメ-トル地帯のようです。地下水を守る活動を世界的に進めていく必要がありそうです。
[出典:2017年5月27日発行 日本経済新聞13版 6頁]
首相官邸の水循環政策本部は「地下水マネジメント導入のススメ」を作成したそうです。地下水マネジメントを今後取り組もうとする団体などへ参考となるように、地下水の保全と利用を取組んでいる先進事例の紹介などを取り纏めたものだそうです。 地下水の流れや帯水層のこと、水質の基礎的な内容を紹介する「地下水の基礎的事項」など色々参考となる資料も掲載されています。 地下水に関連した用語を簡単に説明した用語集「地下水用語集(立ち上げ段階版)」は当学会編の『地下水用語集』を参考に作成されたようです。 今年1月には同本部が、17の流域水循環計画を認定しています。(平成29年1月16日『「流域水循環計画」の第一弾として17計画を認定』)日本地図のMAPでその17地域が紹介されており、当学会市民コミュニケーション委員会が2009年5月に座間湧水ツアー「鈴鹿の小径を歩く」を開催した座間市、当学会が2015年秋季講演会を開催した越前大野市も載っています。座間市のウェブサイト「座間市地下水保全基本計画」のページでは17計画の1つに認定されたことが紹介されています。 これを機会に是非、水循環政策本部のホームページをご覧ください。 |
2017年2月に鳥取市内で33年ぶりという記録的な大雪が降ったことで、鳥取砂丘のオアシスが例年に増して巨大化しているそうです。是非見てみたいですね。
[出典:読売オンライン2017年03月07日「オアシス 巨大化」]
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八ヶ岳に降り積もった雪が泉となって湧き出す三分一湧水は、昭和60年に環境省「日本の名水百選」に選定された「八ヶ岳南麓高原湧水群」の一つです。湧水を三方の村々に平等な水量で配分できるよう工夫したことが、この名の由来とのこと。三角形の石がそれを物語っています。毎年6月1日には「水元」と称される行事が、坂本家により行われているそうです。近くには「三分一湧水館」、有効落差7mで出力1.25kVAのクロスフロー水車発電機(小型水力発電機)、女取湧水(めとりゆうすい)、平山郁夫シルクロード美術館などもあり散策ができます。八ヶ岳南麓、JR小海線の甲斐小泉駅(駅の標高は1,044m、全JR駅中7位)付近にお立ち寄りの際は是非訪れてみてください。 |
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日経新聞 日曜に考える に「地下水使い過ぎ懸念 再び」という記事が掲載されていました。東日本大震災(2011/3/11)を機に防災用井戸の設置が増えたそうです。また温暖化対策で地下水の熱利用の取り組みも始まり、自治体が汲み揚げを危ぶんでいるとのことです。ミネラルウォーターの需要伸長(10年前に比べて倍増)が地下水の揚水が増えた一因との指摘も。2014年、強制力はないものの水循環基本法が施行されており、地下水の実態把握と持続的な利用が求められています。
日本は地下水大国。資源としての地下水と共存する姿を是非とも見出していきたいと思います。
[出典:日本経済新聞 2016年12月25日ページ10「日曜に考える」]
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2009年以前は「地下水ニュース」として掲載していました。