掘削した井戸の水質検査で不適の項目が出た場合、どの様な利用方法が可能ですか?

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一般の飲用井戸水は水道水のように水質検査の法的な義務はありません。しかし、厚労省は「飲用井戸等衛生対策要領」に基づき水質検査を積極的に受けることを指導しており、原則11種類の水質検査項目が定められています。この中で特に一般細菌、大腸菌の2項目は仮に基準を超過していても外観、味、臭いでは全く判別できません。このため、飲用により下痢等の症状が出る恐れもあり、特に検査を受ける意義は大きいです。

井戸水の利用は飲用だけでなく、洗面、浴用、洗濯、戸外の散水など用途は様々です。しかし、不適項目、基準超過の程度によって利用が制限されます。詳しくは、検査結果をもとに利用用途について検査機関、あるいは地元自治体の衛生担当課におたずねになって下さい。

飲用に利用する井戸水は年1回程度、水質検査を受けることをお勧めします。また、井戸の掘削後、揚水を始めて1か月から数が月程度は水質が安定せず、一時的に不適項目が出る場合があります。揚水を継続することにより、水質が安定して不適項目がなくなることもあります。掘削後、間もない井戸は、短い間隔で検査を受けることも場合によっては必要です。なお、何年も揚水している井戸で基準超過が続くこともあります。検出は原因不明のことが多く、いわゆる「汚染」とは直接結びつきません。

また、水道水を対象にした水質検査は、水道法に基づき51項目に基準値があります。井戸の周辺の状況の変化などによっては、この中から項目を追加して検査をする場合もあります。自治体の環境担当課、あるいは衛生担当課に相談されることをお勧めします。

なお、ご質問に対する回答は、あくまで回答者個人の見解です。

 

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